味噌作り奮闘記
 ボクは発酵食が大好きだ。発酵食は神が創り給う味で、同じように作っても微妙に出来栄えが違う。
 味噌は以前から一度作ってみたいと思っていたが、なかなか機会がなかった。家内はそんなことは大嫌いだから、美味しい味噌を買っていきた方が早いという。そう言ってしまえばお終いだ。そんな人にいくら自分で作る値打ちを口説いても何の役にもたたないから、ボクは何んでも自分で作る。出来上がると、美味しい美味しいと言って、大抵ボクより沢山食べるのも彼女だ。
 さて先日高校の同窓生のウォーキングで、毎年味噌を作っているという女性から、「今年も味噌の季節よ」と言われた。そうだ、味噌はこんな寒い時に仕込むのだと思い出したのを幸い、今年こそそれに挑戦しようと決心した。もうボクの年では来年と言っていおれば間に合わないかもしれないのだ。それにこの頃は何でもすぐに忘れてしまう。思い立ったら即実行せねばならない。
 早速PCで「味噌作り」を検索。あるわあるわ、レシピや材料の販売など、どれにしようか迷うほどある。材料の大豆も自然育成もの、無農薬、産地、品種、いろいろある。麹も使う米が白米か玄米か、米の品種もいろいろある。塩も産地、製法により天然天日干しからチベットの岩塩まで様々だ。
 ボクは福井の某みそ会社の「自然栽培の手作り味噌セット」を購入することにした。代々の家族経営の会社らしく、そのHPに丁寧で温かみを感じたからだ。中身は北海道産の無農薬自然栽培大豆1.3kg、宮崎産の玄米を使った米麹2kg、天外天日塩800g、麹と塩はすでに混合してある。〆て6,500円。出来上がりは約6kg。高いと言えば高いし、安いと言えば安い。「材料は良い物を」がボクの主義だ。
 さて、「味噌作り奮闘記」といっても、それほど奮闘せねばなるぬこともない。材料さえ揃えば数時間で仕込むことができる。
 方法
 1.大豆を十分水洗いする。
 2.大豆を水にいれ1日放置。
 3.大豆が柔らかくなるまで(2時間半)煮る。
 4.煮えた大豆を潰す。
 5.潰した大豆と塩麹をよく混ぜ合わせる。
 6.保存容器に空気が入らぬように詰め込み、ビニールで表面を覆い、重りをして約1年間放置。
 このうち、少ししんどいのは3、4、5の作業。
 3は大豆を大鍋に入れて煮るのだが、これが目を放せない。火力が強いとすぐに吹きこぼれる(煮汁は泡が立ちやすい)。鍋の蓋を空けたら部屋中に湯気が立ちこもり、火災警報機が作動して「火事だ」、「火事だ」と一時は大騒ぎだった。
 4の大豆を潰すのは、意外と力と手間がかかる。大きなステンレスのボールにゆでた大豆を入れコーヒーの空き瓶の底で潰したが、いい按配になるまで時間がかかり、力もいる。これが一番しんどい。
 5も結構手間暇を掛けないと、均等に混ざらない。
 仕込んで食べられるのは早くて10ヶ月。先の長い話だ。
 さてはて、どんなに美味い味噌ができるか楽しみだ。
 それまで絶対死ねない。

塩玄米麹  大豆をよく洗って水を入れ1日放置 
大豆を約2時間半煮る 炊き上がった大豆を潰す 
 潰した大豆に塩麹を混ぜる 仕上がり 
瓶に空気が入らぬよう詰め込む  ビニールで蓋をし重しを載せ蓋をして1年間放置