ど素人集団の本物手作りソバ奮闘記 |
2004年の初夏、自宅の近所のスナック「香瑞」の飲み仲間に、ひょんなことからソバを種か
ら捲き、育て、収穫、脱穀、選粒、製粉、ソバ打、食べるところまで、全てをやってみないかと
持ち出したところ、酒の勢いもあって、皆が「やろう!」ということになった。
皆と言っても、男はボクの他、N氏とY氏の3人、女はママさんとKさん、それにボクの女房の
3人、合計6名だ。
畑はN氏が空いている土地があるので、トラックターで畑を作ってくれるという。彼は地主で
自分の畑も作っているベテラン。唯一頼りになる人だ。
「えらいことになった」と内心思ったが、言い出しベイが今更退くわけにはいかない。
1週間後、N氏から「もう畑の準備はできたヨ」と連絡が入った。種はボクが信州に行く予定が
あったので、帰りに本場松本市で「信濃一号」を4kg購入してきた。
とにかくやってみよう。あとはそれからのことだ。 |
8月13日:種まき
畑は車で約20分。和泉市納花町。
夏の炎天下、種まき自体は楽だったが、その後の水撒きが地獄だ。
畑の隅に掘った水溜りからバケツで水をかいだし、畑全体に持ち運び撒く。水を十分撒かなければ発芽はしない。夕方まで全員ヘトヘト。 |
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9月2日:偵察
主として N氏の努力によりソバは順調に発芽し、ぐんぐん成長。
わずか2週間でこんなに大きく育った。
成長の早いものはすでに花芽が付いている。
同時に播いた辛み大根も、順調に育っている。 |
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9月16日:偵察
種を蒔いて約1ヶ月。穂先の花芽はほぼ開花し、真っ白な小さな花を付けている。
いよいよ花見が近い。 |
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9月19日:花見
待ちに待った花見。
苦あれば楽あり。
気分は最高 !
苦労した甲斐があったネ
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9月23日:偵察
花の終わった後に、大きな実が付き始めた。 |
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10月13日: 収穫
今年は台風の当たり年で、その都度、畑がどうなったか気が気ではなかったが、幸い倒れた蕎麦は少なく、真っ黒い実がたわわに実った。
刈り取った蕎麦はある程度の大きさに束ね、それを2つに分けて稲架(はさ)にかけ乾燥させる。
夕方近くやっと終了。
稲架の前で乾杯。 |
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10月21日: 台風一過
昨日の台風が心配だったが、稲架
は倒れることもなく、また蕎麦も吹き飛ばされずホット安堵。 |
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10月24日: 脱穀
乾燥も十分、いよいよ脱穀だ。
ビニールシートの上に乾燥した蕎麦を置き、皆で竹の棒を持って実を叩き落とす、最も原始的な脱穀法だ。風で分別しようと思ったが、風が吹かない。仕方なく発電機で扇風機を回し、背の高さから少しずつゴミの混ざった実を落とし、横から風を送って、ゴミと実の分別だ。これを繰り返し、やっと実の収穫が終わった。
全部で19.6kg、ヤレヤレ、慣れん仕事は楽やないなあ。 |
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←11月 2日:収穫後のそば畑
こぼれた種が発芽した |
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12月 4日:選粒→
選粒が大変だ。1粒1粒、不良な実や泥で汚れた実を選りだすのだ。毎日毎日暇があれば・・。
これがまた大変。
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12月19日:粉ひき
アユ釣り仲間の吉野の石屋のSさんが、わざわざこのために立派な石臼を作ってくれた。買えば数万はする代物。
しかし粉ひきは大変な作業。1kgの粉を得るのに、何時間かかることやら。
今思っただけでもゾッとする。 |
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12月23日:そば打ち大会
夢に見たこの日がとうとうやってきた。
みんなこの日のために頑張った。
うまかった!
正真正銘の本物の味は忘れなれない。
不味いはずがない。
一杯3,000円でも安いと思った。
けれど、来年またやろうと言う
者は誰もいなかった。
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