ボクのウォーキング  
 
 ボクはウォーキングが好きだが、毎日1万歩以上近所を歩き回ったり、決まったコースを歩くというのはできない。すぐに飽きてしまう。といって自分で行きたいところを決め、プランを立てて一人で行くというのもなかなかできない。できても長続きしない。中学や高校の同期の仲間がプランニングしてくれたウォーキングには、日が合えば何処へでも喜んで行く。仲間で歩くのも楽しいが、むしろ終わってからの「反省会」の方に魅力があるのかもしれない。

 というわけで、普通はもっぱら旅行会社が企画したウォーキングに参加するということにしている。金を払って、天気でも、悪天でも、ともかく警報が出ぬ限り歩くのだ。早朝、所定の場所に行きさえすれば専用バスが迎えに来てくれ、それに乗りさえすれば、後は寝たまま出発地に着く。それから準備体操をして、リーダーの後を付いて歩くだけだ。昼食もお茶も用意してくれる。目的地に着き体操をしたら、ビールでも買ってバスに乗り込んでしまえば、あとはぐっすり寝て大阪まで帰って来られる。場合によっては途中で温泉にも入れてくれる。こういう按配だから、熊野古道の中辺路、小辺路、伊勢本街道など、大して苦もなく歩けるのだ。もちろん肉体的に疲れることはあるが、道を間違えたり、バスや電車の時間を気にしながら歩く必要もない。

 これを全部自分でやるとなると、容易なことではない。実は熊野古道のうち、大阪の天満橋八軒茶屋から御坊までは一人で計画し歩いた。地図を頼りに歩くのだが、知らぬ土地に入ると、地図道を辿るのが難しい所が度々ある。自信を持って歩いていても、気付いた時にはすでに違う道を歩いていたこともあり、そのために2時間以上も時間をロスしたこともある。また常に帰りの時間を気にしながら歩かねばならぬ。

当然のことながら、自宅から離れれば離れるほど歩く時間がなくなり、遂には宿泊が必要になってくる。そうなると旅館の手配も必要だ。自分一人で行くと悪天候には行きたくない。そうなると全ての予約を取り消したり、再度日を改め予約し直す必要がある。家から遠ざかるほど、これらの準備が面倒になり、結局は計画が頓挫する結果となる。

 こんな訳で、多少金がかかっても旅行社のそれを利用する結果となる。そうすれ
ば、余程のことがない限り、大抵の人はどんな所へでも歩いて行ける。邪魔くさがりにはこの方法が一番だ。